「スライス」と「フック」、直すための考え方は同じです。まず球筋の仕組みを理解してください。
なぜスライスになるのか、原因を理解できたら、今と逆のことをするだけで直ります。
と、簡単に書きましたが、そんなに簡単に直るのでしょうか。とりあえずはやってみるのが一番です。
今回は、右利きの方を前提として説明します。左利きの方は「右」と「左」を読み替えてください。
スライス、フック、フェード、ドローとは何か
ボールの弾道は大きく4つあります。
- スライス 右に飛び出し、右に曲がって目標ラインから離れるボール
- ドロー 右に飛び出し、左に曲がって目標ラインに戻るボール
- フェード 左に飛び出し、右に曲がって目標ラインに戻るボール
- フック 左に飛び出し、左に曲がって目標ラインから離れるボール
目標ラインに戻ってくるのは、ドローとフェード。目標ラインから離れるのは、スライスとフックです。
ゴルフは、目標ラインに向かってボールを打っていくものなので、スライスとフックはミスショットです。
球筋は、クラブを振っていく方向と、当たるときのフェース面の向きで決まります。
どちらに打ち出すかは振っていく方向、どこに飛んでいくかはフェース面です。
参考までに、スライス、ドロー、フック、フェード、ストレートを打ち比べました。
スライスやフックの原因は何か
球筋の仕組みを理解する
理解してほしいことは1つ。
- ボールは、インパクト時のフェース面の方向に返ってくる
です。目標から離れる要素は、フェース面にあります。フェース面が大切だということをまず理解してください。
球筋 | フェース面 | クラブヘッド軌道 |
スライス | 右 | インサイドアウト↗ |
ドロー | まっすぐ | インサイドアウト↗ |
フェード | まっすぐ | アウトサイドイン↖ |
フック | 左 | アウトサイドイン↖ |
ストレート | まっすぐ | インサイドイン ↑ |
それぞれの弾道において、フェース面とクラブヘッドの軌道を表にしました。ミスショットはフェース面がまっすぐ向いていないことが分かります。
スライスの悩みの多くは、振り遅れ&フェースが開いているという、2つのミスをしています。振り遅れることで、クラブヘッドの軌道はインサイドアウトになり、さらにフェース面が右を向いているので、ボールは右に飛んでいきます。
フックは、体が突っ込んだり手首を返してしまうことで、クラブヘッドの軌道がアウトサイドインになり、フェース面は左を向きます。
1番良いのはもちろんストレート。フェース面をまっすぐに、スイングはインサイドイン(インサイドストレートイン)が理想ですが、トッププロでも左右の回転のないストレートボールを打つことは難しいです。ストレートに近い、フェードやドローボールが打てるようになると、理想のゴルフに近づきます。
インパクト時のフェース面によってどこに飛んでいくかは理解いただけましたか。
スライス、フックの直し方
スライスやフックが発生する仕組みが理解できたら、あとは直していくだけです。
スライスもフックも、フェース面とクラブヘッドの軌道(スイング)の2つの原因があります。
2つのミスを少しずつ修正しながらストレートに近づける方法もありますが、僕はオススメしません。スイングとフェース面、1つずつ修正していくことが、実は近道であると考えます。
根本的な直し方
基本に戻る
ゴルフは基本が大切です。まずは、グリップとアドレスを正しく直します。
フェース面を意識する
パターは常にフェース面を意識します。構えてからボールに当たるまで、常にフェース面を気にしていると思います。
アイアンもドライバーも、パターと同じようにフェース面を意識してください。
練習する時に、どの段階でもフェース面がどこを向いているのか考えながら練習してください。
練習する時に「意識する」ことは、初心者から上級者まで、上達する上でとても重要です。
1日だけの対処法
ラウンド中にスライスが止まらない!明日のラウンドだけはスライスをなくしたい!という方向けの、1日限りの対処法を教えます。
アドレスで、フェース面を左に向けてください。フェースを左に向けることでグリップを握り直して大丈夫です。
ラウンド中、同伴者に「フェース左向いてるよ」と言われても、気にしないでください。緊急時の対処としてはこれが一番です。ただ、上達する上ではNG行為なので、その場限りにしてください。
右に飛んでいくなら左を向いたら良い、という考えもあります。しかし、左を向いたところで、いつものスイングはできなくなります。理由は、仮想の目標を立てられないからです。
例えば、「パターでボール3つ分右に打って」と言っても、3つ分右に打てる方はほとんどいません。ボール3つ分右に仮想の目標を立てることが難しいからです。
おわりに
当たり前ですが、目標ラインから離れていくボールはない方が良いです。
ゴルフ歴が長い人ほど直すために時間はかかります。何百球、何千球打って、体にしみ込まれたものを、何百球、何千球打って直していきましょう。
時間はかかりますが、ゴルフは長く楽しめるスポーツです。悩みを一つずつ解決していくことも、ゴルフの楽しみだと考えてみてください。
もし、スライスとフックを意図的に打てるようになったら、球筋に悩まなくなりますよ。